ハイブリッドIP無線機
導入事例
成田市消防本部様
Case study
ハイブリッドなら不感地帯0。
IP無線と署活動用無線を1台で共有できるから情報伝達も消防水利の調整もスピーディ。
Profile
市制施行70周年(2024年3月31日)を迎えた成田市と、千葉県の北部に位置する神崎町を管轄としている成田市消防本部様。施設数は、1本部4消防署4分署。車両数は、消防車両43台。約250名の職員が住民を支えています。より安全な救護活動を行うには、無線電波が届かないエリアをなくすのが急務でした。ハイブリッドIP無線機が登場し、これまでの課題を解決してくれると「IP700S」を導入されました。
※アイコム製の署活動用無線をご利用されている場合、中継機能を使い通信エリアを拡張できます。
- 成田市消防本部
- 設置日:1965年4月
- 管轄区域:成田市、神崎町
- 所在地:千葉県成田市花崎町760
- 職員定数:250名
- URL:https://www.city.narita.chiba.jp
- 取材先
- 指揮指令課 課長 消防司令長 竹尾正明様
指揮指令課 指令係長 消防司令 川島努様 - ※役職等、掲載情報は全て取材当時のものです。
導入のきっかけ
ハイブリッドIP無線機を検討したきっかけを教えてください。
従来の署活動用アナログ無線機だと、階層がある建物で電波が届かず、情報共有の面で活動に支障をきたすことがありました。解決策を模索している中、ハイブリッドIP無線機がこれまで電波の届かなかったエリア、不感地帯を解消してくれることを知り、検討に至りました。
導入前の課題を具体的に教えいただけますか?
主な課題は2つありました。
- 1つ目は地下施設での不感地帯の解消。
- 2つ目は現場指揮本部が無線通信補助設備付近に限られてしまうこと。
従来、地下部分で災害が発生した際、施設の外部に設置されている無線通信補助設備に消防本部で所有している無線機を接続し、災害対応にあたっていました。ところが地下階は無線通信補助設備用の増幅アンテナが設置されていても無線で通信できない不感地帯が存在しており、消防救急活動に支障をきたす場面が課題としてありました。
加えて、地下と通信するためには無線通信補助設備と無線を接続する必要があるため、現場指揮本部の設置場所が制限され活動しづらい面がありました。
原則として地下のある大きな施設は無線通信補助設備があるので、有事の際はこれらを活用することを考えていました。そのため、まず消防本部で所有している無線や携帯電話で通信エリアの調査を行い不感地帯がどこかを確認し、普段の訓練から地下での通信エリアの確認や、無線通信補助設備の付近に指揮本部を設置した場合の検討など、運用面でのカバーを行っていました。
お話を伺った 竹尾様、川島様
導入の決定
ハイブリッドIP無線機に決定した理由を教えてください。
課題解決のための検討を行っている中で、IP無線(IP502H)のデモ機を使って地下施設の調査を行ったところ、不感地帯がなかったので導入の準備が進みましたが、IP無線専用機の場合、キャリア(au/ドコモ)の回線が使えなくなると通信できなくなってしまう点が懸念材料として挙がりました。
そんな時、IP無線と署活動用無線の両方が使える「IP700S」が登場しました。auとドコモのデュアルSIMで携帯電話が使えるところであればほぼ繋がるIP無線モードと、既設の署活動用無線の両方が使える点が、現場での順応性が高く画期的であったため、導入を決めました。
導入にあたりクリアすべき条件はありましたか?
利用料と運用面です。
利用料については、導入する台数により通信運搬費が増加してしまうため、現状の費用について精査する必要がありました。最低限これくらいの費用があれば、代替の通信手段を確保できて、新しい機器を配備できるぐらいのお金を確保できる。という算段をつける必要があるので、通信運搬費の見直しをかけました。
運用面については、新しい機器なので操作の訓練と教育が重要です。今後、各消防署に配置するにあたり、取扱説明会を実施して使用する隊員への教育を行います。
導入したハイブリッドIP無線機 IP700S
導入の効果
ハイブリッドIP無線機 IP700Sを導入して、いかがでしょうか?
地下の不感地帯と指揮本部の設置場所の制限に関しては、導入前にクリアできることはわかっていました。
その他のメリットとして、IP無線は通信エリアが広いので、消防水利の調整が早くなり初動までの時間が短縮されました。
そして、火災出動等で前進指揮隊長と現場指揮本部との無線のやり取りや、災害現場でこれまで携帯電話やデジタル無線などで行っていた消防本部との情報共有をIP無線機を使用しても、今のところ不感地帯はありません。
導入したハイブリッドIP無線機 IP700S
今後の展望
今後の展望を教えてください。
現在ある連絡ツールとして「IP700S」は大変有効なので導入を進め、市の消防救急活動の強化に努めていきたいと思っています。
機能的にはまだ応用の余地があるので、検証しながら運用に反映させていきたいです。ただIP無線はあくまで通信手段の一つなので、IP無線に頼りきりにならないよう、様々な通信手段を活用していきます。
市制施行70周年を迎えた成田市
導入機種
アイコム ハイブリッドIP無線機 IP700S
通信範囲目安:全国(IP)/1~4km(一般)免許不要(IP)/免許(一般)デジタル/アナログGPS(LTEのみ)防塵防水IP67/57/54
デュアルSIM対応のIP無線とインフラに依存しない一般業務用無線が一台になったハイブリッドIPトランシーバー。
※アイコム製の署活動用無線をご利用されている場合、中継機能を使い通信エリアを拡張できます。