
IP無線 病院
導入事例
Profile
亀田メディカルセンター様は、亀田総合病院を中心とした、亀田クリニック、亀田リハビリテーション病院などの医療サービス施設の総称です。特に乳腺外科や血液・腫瘍内科の分野で高い評価を受けており、県内外はもとより、近年では海外からも多くの患者さまが来院されています。
1日あたりの外来患者数は平均3,000名にのぼる亀田メディカルセンター様では、患者さまと直接関わる亀田クリニックの緊急検査室や、特殊な検査項目の検体測定を担う亀田総合病院の臨床検査室において、合計11台のIP無線機 IP510Hを導入し、業務の効率化に役立てています。
- 導入機種
- IP510H×11台
- 医療法人鉄蕉会 亀田総合病院
- 開 設:1964年7月
- 病院長:亀田俊明
- 所在地:千葉県鴨川市東町929番地
- HP:亀田総合病院
- 取材先
- 医療法人鉄蕉会 医療管理本部
臨床検査管理部 部長 大塚喜人様 - 亀田総合病院 臨床検査室 室長 渡智久様
- ※役職等、掲載情報は全て取材当時のものです。
ご利用の用途
どのような業務でIP無線機をお使いいただいていますか?
大塚
まず、当院の全体像についてご説明します。亀田メディカルセンターは、大きく分けて救急・急性期医療・総合周産期医療を担う917床の亀田総合病院(病院)と、32の診療科を持つ外来診療中心の亀田クリニック(クリニック)から構成されています。
現在、この2つの施設でIP無線機を活用しています。具体的には、病院の臨床検査室で3台、クリニックでは採血・採尿室で3台、生理機能検査室で4台、緊急検査室で1台を運用しています。

お話を伺った 大塚様(左)、渡様(右)
渡
クリニック内の採血・採尿室と生理機能検査室にはそれぞれ受付があり、各検査ブースとの業務連絡にIP無線機を使用しています。
主に患者さまに関する情報共有や、各セクションの混雑状況をリアルタイムで把握し、患者さまの誘導やスタッフの適正配置を柔軟に行うために役立っています。
また、クリニックの緊急検査室で測定した検体のうち、より特殊な検査が必要な検体は、気送管(エアシューター)を使って病院の臨床検査室に送られます。臨床検査室は広く、検査機器の稼働音も大きいため、室内のスタッフ間の連絡にもIP無線機が非常に重宝しています。
さらに、病院とクリニックは別棟となっているため、両施設間の連絡にもIP無線機を活用しています。クリニックではチャンネル1、病院ではチャンネル2と使い分けており、通常はそれぞれのグループ内で通話し、必要に応じてチャンネルを切り替えて連絡を取っています。

亀田メディカルセンター IP無線機の運用全体像
導入のきっかけ
どのようなきっかけで無線機の導入を検討されたのでしょうか?
渡
導入前はコードレス電話の子機を使っていましたが、これが非常に煩雑でした。
子機の電話帳から相手を探して発信し、相手が出るまで待つ。さらに、同じ内容を複数人に伝える場合はそれぞれに電話をかけ直す必要がありました。相手が手を離せない場合は折り返しを待ったりかけ直したりするなど、こうしたやり取りが1時間に10回くらいの割合で発生し、業務効率を大きく圧迫していました。この状況を改善したいというのが、現場からの切実な要望でした。
大塚
実は当院は、女子サッカーチーム「オルカ鴨川FC」の設立母体でもあり、現在も運営に携わっています。
サッカーの試合時には広いグラウンドで関係者同士が無線機を使って連絡を取り合っているのですが、ボタン一つですぐに会話ができ、遠く離れていても隣にいるかのようにコミュニケーションが取れる。その様子を見て、医療現場でもこのスピード感が必要だと感じ、導入を決めました。
渡
無線機は、話しかけるだけでその場にいる全スタッフに情報が一斉に伝わるのが大きな利点です。
何度も電話をかけ直す手間が省けるだけでなく、呼びかけられた本人が患者さま対応中で応答できない場合でも、近くのスタッフが状況を把握して対応できます。
また、何かトラブルや緊急事態が発生した際にも、より多くのスタッフに迅速に情報を共有できるため、患者さまの安全や利便性向上にもつながっています。たとえば、足の不自由な患者さまがいらした際に無線機で伝えれば、全員がその情報を共有でき、より適切なサポートにつなげることができます。

全スタッフに情報が一斉に伝わる

近くのスタッフが状況を把握して対応できる
運用方法
具体的な使い方について、もう少し詳しく教えてください。
渡
クリニックの採血・採尿室には1日あたり550~850人、生理機能検査室には約200人の患者さまが来室されます。
採血・採尿室の入り口には受付機を2台設置し、受付には3名のスタッフを配置しています。混雑時には2名のスタッフが受付機の補助に入り、特にケアが必要な患者さまについては、採血ブースと情報を共有しています。具体的には、乳幼児や小児、横になって採血を希望される方、ストレッチャーで来られる方、迷走神経反射の症状をお持ちの方などです。生理機能検査室では、女性技師による対応を希望される患者さまもいらっしゃいます。
IP無線機は、ボタンを押すだけで通話ができ、ボタンの位置も分かりやすいため、目視せずに操作できます。患者さま対応のわずかな合間、数秒あれば情報共有が可能で、これは電話では実現できない大きなメリットです。

採血・採尿室の入り口に設置されている受付機
今後の展望
今後の展望についてお聞かせください。
渡
まずは病院の外来部門でも、1階から3階までの連絡にIP無線機を導入する予定です。これはすでに決定しています。
大塚
次に、救命救急センターへの導入も計画しています。ここはクリティカルな部門であり、より密な連携が求められるため、近いうちに導入を進める予定です。
また、当院では臨床検査技師を救命救急センターにも常駐させており、多職種が連携するチーム医療を積極的に推進しています。臨床検査室と救命救急センターをIP無線機でつなぐことで、さらなる業務効率化と利便性向上が期待できます。
渡
現状、クリニックでは採血・採尿室と生理機能検査室でIP無線機を導入していますが、今後も他の医療技術部門に展開したいと考えています。
患者さまは1日で複数の検査を受けられるため、各部門間で混雑状況を共有できれば、待ち時間の短縮や患者さまの負担軽減につながると考えています。
大塚
もちろん導入にはコストがかかりますが、スタッフのコミュニケーション負担の軽減や適正配置による業務効率化、そして何より患者さまへのサービス向上を考えると、十分に価値があると感じています。コスト以上の効果が得られると確信しています。

ボタンを押すだけですぐに会話ができる

連結型充電器で充電中のIP無線機
導入機種
Wi-Fiも使えるIP無線
アイコム IP無線機 IP510H
通信範囲目安:全国免許不要動態管理GPSデュアルSIMWi-FiBluetooth®同時通話多重通話割込み通話一斉/個別/グループ通話防塵防水IP67Type-C録音再生着信バイブ
ドコモとauのデュアルSIMのLTEに自動切替えでWi-Fiも使えるハイブリッドIPトランシーバー。同時通話・割込み通話対応。



